ドキュメント コンピュータ将棋

「ルポ 電王戦―人間 vs. コンピュータの真実」に続く松本博文( @mtmtlife )さんのコンピュータ将棋関連本第2弾「ドキュメント コンピュータ将棋」を読みました。

※ちなみに「ルポ 電王戦」のレビュー記事はこちらをどうぞ。

大まかな構成は、コンピュータ将棋対プロ棋士と電王戦の経緯、コンピュータ将棋を巡る様々なトピック、そして現在開催中の電王戦FINALに出場する5人のプロ棋士と5人の開発者のエピソード等。

「ルポ 電王戦」と同様、普段表に出ることのないソフトウェア開発者を中心とした取材内容をベースに話が書かれている点が大きな特徴で、開発者の方々の苦労や思いを本書から感じ取ることができます。今までコンピュータ将棋が無機質な存在にしか見えていなかった方にとっては、きっとこれまでとはコンピュータへの見る目が変わってくるんではないでしょうか。

入玉、持将棋、投了のタイミング・・・など、同じ将棋でもコンピュータと人間とで異なる感覚を持った点も随所で解説されています。折しも電王戦FINALで王手ラッシュや入玉などが図ったかのように話題になっていたりもするので、そういったことを重ねながら読むとより楽しめると思います。

特に印象に残っているエピソードをいくつかピックアップしてみます。

  • 森下九段は一丸さん(ツツカナ開発者)のことが好き
  • 西海枝さん(Selene開発者)はプログラミング覚えたてでGPS将棋みたいのを作ってしまった
  • 磯崎さん(やねうら王開発者)、Stockfish のソースコードを見て「彼らは人間を作ろうとしてるんや」
  • AWAKE のレーティングは3600点〜3700点(将棋倶楽部24の人間トップレベルが3200点)
  • コンピュータ将棋の「5年限界説」

どの話も面白いので興味のある方は、ぜひ実際に読んでみてください。

ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ (角川新書)

ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ (角川新書)

松本博文
880円(04/18 20:25時点)
Amazonの情報を掲載しています

この記事を書いた人

ko31

電王戦をきっかけに20年ぶり以上に将棋熱が再燃した、観たり指したりするのが好きなヘボ将棋ファン。
群馬在住繋がりで藤井九段の本で振り飛車勉強中ですが、根っからの三日坊主につき&頭の回転が悪くなかなか棋力が向上しません。将棋ウォーズによく出没しています。
>>詳しいプロフィールはこちら

合わせて読みたい記事